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第37回 卒業証書授与式

送 辞

 暖かさも増してきた春暖の候、3年生の皆様、ご卒業おめでとうございます。先輩方が各々の思いを持ち、未来へ向けて最初の一歩を踏み出すともいえるこの記念すべき日に、僭越ながら在校生を代表してお祝いの言葉を申し上げます。

 本来であれば、この場には先輩方の卒業を祝うと共に別れを惜しむ在校生が沢山いました。その中には旅立っていく先輩方の最後の姿を見たいとこの日を心待ちにしていた在校生もいたことでしょう。残念ながら、新型コロナウイルスによってその願いは残酷にも打ち砕かれました。

 思えば、先輩方の学校生活も最初の1年を除けば、コロナ禍によって大きな制約があったものだったのではないでしょうか。感染対策の名の下に普通の日常は奪われ、自由も制限される。当然、私たち一年生・二年生と先輩方との交流にもその影響は及び、先輩方ともっとお話ししたかったという学友の声も沢山聞きました。何もかもが制限されている日々に閉塞感を覚えてもおかしくありません。しかし、私が生徒会活動などを通じて見た先輩方のお姿はそんなものではありませんでした。コロナ禍に屈せず立ち向かおうとする先輩方のお姿がそこにはありました。私はそのお姿を見て頑張ろうという勇気を頂きました。

 加えて、コロナ禍がもたらしたものは悪い事ばかりではありません。感染対策に気を配りながらの受験勉強や部活動などは想像を絶するほど苦しく険しい道だったと推察しますが、「苦あれば楽あり」ということわざにもある通り、その道を耐え切った先輩方には、どんな困難が来ても怯まない強靭な心が必ずあります。それはこの先の人生においてきっと役立つものです。昨今の報道にもある通り、世界情勢は混沌とし、私達や先輩方が歩む未来にも影を落としています。コロナ禍によって情勢がより一層不安定になったとも言えますが、世界はいつでも不安定であり、コロナ禍はそれを可視化したに過ぎないとも言えます。ここにいらっしゃる先輩方であれば、その強靭な心でこの不安定な世界を生き抜いていくものだと確信しています。

 さて、そろそろ桜が咲く季節となってまいりましたが、先輩方もこれから桜のようにしっかりと根を張り、どんな困難が来てもそれを耐えきって人生に綺麗な花を咲かせてください。最後になりますが、在校生を代表して先輩方の旅立ちを祝えることを心より嬉しく思い、これから先輩方が歩むであろう長い旅路の一路平安をお祈りします。 

令和四年三月十七日

在校生代表  井野岡 卓

卒業証書授与

大村賞授与

優秀賞授与

皆勤賞授与

学校長 式辞

学校へ記念品贈呈

在校生 送辞

卒業生 答辞

卒業生 退場

答 辞

 正門前の道を覆う桜の蕾は、日に日に膨らみを増しています。その姿は、まるで新しい世界へと足を踏み入れる私たちの気持ちを表しているかのようです。本日、御臨席くださいました先生方をはじめ、ご来賓、ご父兄の皆様に、卒業生を代表し心より御礼申し上げます。

 吹き込む春風の香りは、開智高校に入学した日の記憶を呼び起こしてくれます。花曇りの下で、私たちには、高校三年間とこれから先の人生を彩るであろう、たくさんの出会いがありました。

 日輪と新緑のまぶしさで、私たちは時鐘祭の日を思うはずです。クラスや有志の団体で、青春をソウゾウし、サイコウしたあの日を私たちは決して忘れないでしょう。

 草木が錦を織りなす頃、汗水流した体育祭では、団で力と心を1つにし、優勝へ向かって駆け抜けました。各団で試行錯誤を重ねて作り上げた演舞は、今も目に焼き付いています。

 霜枯れと凍てつく寒さがもたらしたのは、心躍る球技祭やロードハイクではなく、次の進路へ向かうための試練の数々でした。歯を食いしばって乗り越えた記憶が昨日のことのように思い出されます。

 この三年間、私たちの高校生活はたくさんの方に支えられてきました。教職員の皆様は、学習面や生活面で手厚くご指導くださりました。後輩の一、二年生は、まだまだ未熟である私たちの背中を追いかけてくれました。保護者の皆様は、一番近くで私たちを見守ってくださりました。そして、この三十七期の仲間と楽しい時には笑い合い、辛い時には励まし合い過ごしてきました。多くの方の支えがあったからこそ、三年間恙なく高校生活を送ることができました。感謝に堪えません。

 開智高校で四度目の春を迎えようとしている今日。私たち三十七期生はこの花積の丘を離れ、それぞれの道を歩み始めます。開智で得た学びと感謝を胸に、まだ見ぬ困難にも立ち向かい、精進し続けることをここに誓います。

 開智高校がますます発展されることをお祈りし、答辞とさせていただきます。

令和四年三月十七日

第三十七期卒業生代表  松﨑 晴輝